テロリストによるユニウスセブン落下事件から勃発した

ザフトと連合による戦争は

多くの犠牲を出しようやく終結した。

戦中、数奇な運命により

地球連合からAAやミネルバに陣地を移した

スティング、アウル、ステラの3人は

戦後その身をオーブ政府にその身を寄せた。

そして極限にまで改造強化された身体に

数々の治療をや過酷なリハビリを経て

三人は軍を辞め、

オーブの港町に小さな喫茶店を開いた。









喫茶『ふぁんたむ・ぺいん』へようこそ











喫茶店『ふぁんたむ・ぺいん』。

マスター・スティング、ウェイター・アウル、ウェイトレス・ステラのわずか

3名による小さな喫茶店は、ステラの好きな海辺が見えるところにある。

特に宣伝もしなかったので、まずまずの客足だったが、彼らにとってむしろ都合が良かった。



傷付いた身体と心を癒し、3人静かに暮らしたい。



それが彼らの願いだったから。


スティングは元々趣味で料理をやっていたこともあり、その手つきは慣れた物だった。

彼の煎れる薫り高いコーヒーや暖かい手料理は、老若男女問わず、人気で遠方より訪れる者も多かった。

やがて店の名はクチコミで広がり、近所の者だけではなく、立ち寄った旅行者も再度その姿を見せたりして

徐々になじみの客を増やしていった。



美味しいコーヒーや食事ももちろんだが、店の名物はやはり喫茶店の3人だった。




「いらっしゃいませー!」



からんからんと入り口が開く音と共に

客を迎える元気な声が響く。

明るい水色の髪の少年が

ラフなシャツとジーンズの上に

エプロン姿で出迎え、

カウンターでマスターの少年と

金の髪の少女が水色の少年と

揃いのエプロン姿で微笑む。



明るく、おしゃべりなアウルは訪れる客との

旅先や日常会話に花を咲かせ、

ステラは自分で育てたハーブで

客の体調や状態に合わせたお茶を振る舞う。

そのお茶は若い女性や年配に特に

人気だった。

またステラの育てたハーブはアウルによって

甘いお菓子にも生まれ変わる。

それがクッキーやケーキ。パンだったりする。

スイーツは主にアウルの担当であり、

ステラやスティングがそれを手伝う形だ。

また、甘い物に目がないアウルは客から

スイーツの話を聞き出しては

ステラを連れて現地に赴き、

気に入った物を参考に新しいスイーツのメニューを考え出すのだ。

時には仲良くなった客から家庭の伝統菓子の作り方を教わることもあった。



スティングはカウンター客と会話をしながら次々と注文の品を作り上げていく。

この喫茶店には決まったメニューが存在しない。

その日の仕入れと客の要望によってメニューが決まる。

スティングはアウルやステラの面倒を見てきたこともあり、まれな聞き上手だった。

言葉少なく、客の話に耳を傾け、その間アウルとステラは邪魔にならないように離れて見守る。

そして話しが終わって、一息をついた客の前にステラのハーブティーが置かれる。










オーブの港町にある小さな喫茶店。

注意をしないと見逃がしてしまいそうになるそこは

優しい時間がゆっくりと流れる、癒しの場。

何かに疲れたときに訪れてみるといい。

個性的な3人組がきっとあなたを歓迎してくれる。


















後書き

訪れる人々は実に様々です。中には不思議なこともおこります。

訪れて欲しい人がいましたら気軽にリクしてみてください。

ちなみにネオはムウとしてマリューさんと一緒です。