2.おやすみ






「はい、あがり〜」




アウルはスティング達と講じていたカードゲームでそう宣言すると大きく伸びをした。

その拍子にこつんと、肩に何かが当たる。見るとステラがうつらうつらを始めており、

、振り子のように揺れる頭が当たったのだ。



「おいステラ、こんなとこで寝んな」

「ステラ、眠い・・」

「ん?ああ、もうこんな時間か」



彼女の言葉にステイングは部屋の時計を見やった。

すでに真夜中近い。


「そろそろ寝るか、二人とも?」

「さんせー」


アウルはそういうとさっさとベットにもぐりこむ。スティングはカードを片しながら

ステラに部屋へと戻るようにと言ったが、彼女はじっと座ったまま動こうとしない。



「ステラ?」

「ステラ、一人はいや。スティングとアウルと寝たい」

 

ええー?とベットの中から不満そうな声を上げるアウル。

 

「部屋にベットは二つしかないんだ。一緒には寝れないぞ、ステラ」

「いや、ここで寝たい」

 

スティングは困った顔をするがステラは首を振るばかりだ。

そんな彼女にいらだたしげにアウルは声を荒げた。

 

「いーかげんにしろよ!お前、眠いって言ってたじゃんか」

「でも一人は怖いもん」

 

彼の怒鳴り声についにしゃくりをあげる。

 

「たくさん星が落ちて、生き物がたくさん死ぬの見てから一人は怖いの」



ユニウス7のことを言っているのだと二人はすぐにわかった。

あの光景をスティングやアウルも一緒に見ていたのだから。

その後、最適化は受けたもののその記憶は鮮烈に残っている。

ユニウス7を地上に落とされた、憎しみを怒りを力とするため敢えて残されたの記憶。

あれほど死におびえるステラが影響を受けないわけがない。



「う〜、でもベットは二つなんだよなぁ〜」



頭をワシャワシャとかきながらアウルがぼやく。


「仕方ない。俺かアウルのベットで一緒に寝るしかないな」

「え〜狭くなるじゃん」



不満げに口を尖らせるとスティングは意地悪く言った。



「ああ、そうか。アウルが嫌ならいいさ。ステラ、ちょっと狭いが一緒に寝るか?」

「ちょっと待て!図体のでかいスティングのところのほうが狭いじゃん!!」



慌ててベットから飛び出してきた、そのわかりやすさに苦笑しながら

さらに追い討ちをかける。



「お前がいやだというんだから仕方ないだろう」

「嫌だといってない!!・・おい、ステラ!今日は特別一緒に寝てやるから、有難く思え!」

「え・・?うん、ありがと・・・」



ムキになるアウルにステラは首をかしげながら、彼のベットにもぐりこむ。

無防備に体を寄せて来る彼女の甘い香りにどきまきしながら、アウルは自分をできるだけ

壁側へと寄せた。だがステラはさらに体を寄せてくる。



「おい・・あんま寄んな・・!」

「どうして・・?近いほうが暖かいよ?」

「・・そりゃ、そうだけど」

「そうでしょ?」



自分の胸元にほほを寄せてくるを拒むことができずに、アウルは深くため息をつく。

顔を上げると笑みで口元をゆがめる、スティングと目が合った。

照れ隠しに思いっきり顔をしかめて見せると、彼はステラを抱き寄せ、

瞬く間に眠りに落ちていった。








後書き


うちのアウル、溜め息多いっスね。