「ほら馬鹿ステラ」 「ここで・・・・?」 アウルに手を引かれ、つれてこられた場所にステラは困ったような顔を見せた。 明かりを落とされた展望室は差し込んでくる月明かりと自動販売機の光があたりを照らし。 海を走る静かな音と船体を打つ波の音が聞こえてくる。 ガラスを隔てた向こうは暗い海と星の海だった。 チカチカと瞬く星の海。 空からのわずかな光でぼんやりと浮かび上がる夜の海。 夜中に訪れた事のなかったステラはしばし星の海に魅入っていたが、アウルの言葉で我へと還った。 「今の時間じゃあ誰もこねーし?いつものは飽きたからちょっとだけ趣向変えて」 イタズラっぽい光をマリンブルーの中に瞬かせ、アウルは口端をもたげて笑った。 「いつもの・・・・?ちょっとだけ?」 「そっ」 アウルは大きなすみれ色をぱちぱちさせるステラの唇をおもむろにふさぐと 逃がさないように片手を彼女の腰に回し、しっかりと足を絡めた。 ステラは大きく目を見開き、驚きの表情を見せたがアウルにとってそれがむしろ愉快だった。 強引に舌をねじりこみ、ステラの口腔内を舐めまして蹂躙する。 口の中からみるみる唾液が溢れ、二人の唇の間から糸を引いて流れ落ちた。 「む・・・・ふぁ・・・・っ」 むせそうになりながら必死にそれらを飲み込んでゆくステラにアウルは満足げに目を細め、舌を絡めて強く吸い付いた。スカートの中に手を伸ばすと下着はしっとりとし始めていて、熱を帯びている。アウルは忍び笑いをもらすと、抵抗する力を失ったステラを壁に押し付け、彼女の軍服の留め金をはずした。ステラのインナーをそのまま乱暴に下ろすと、豊かな胸がぷるんと揺れて露になった。 「あはっ、もう立ってんじゃん?」 「あ・・・・いや・・・・」 アウルの言葉通り、高くそりたった桃色の先端はステラの興奮そのものを現していて。 早く触れてほしいといわんばかりにその存在を主張している。 アウルが指でその先端をつかんで軽くこねくり回すと、ステラの体が電気が走ったかのようにと跳ね上がった。 感度のよい事を確かめると、アウルは両手を胸に両手を這わせ、ゆっくりと先端を口に含んだ。 「あぁ・・・・ん・・・・っ」 ステラは熱い吐息を漏らすとアウルの頭を抱きしめるように腕をまわす。 舌先で舐るようにステラの先端を転がし、軽く吸い上げると、彼女は甘い声を上げた。 その声はアウルの興奮をも高め、舌の動きを激しくしてゆく。 交互に念の入った愛撫にステラは羞恥心など忘れ、彼に愛撫に身をゆだねてゆく。 もう見えるのはアウルだけ。 聞こえるのは。感じるのはアウルの熱い吐息。 すべての意識も感覚も溶けてゆく。 ワンピースを床に落とされ、最後の下着まで剥ぎ取られるまでが もどかしく感じられるくらいステラはアウルが欲しかっただった。 手を伸ばしてアウルの軍服に手を伸ばすと、彼も素直に脱がされるまま衣服を下に落とした。 「ん・・・っ、アウル・・・・」 ステラは自分から口づけをもとめてアウルの首に回した腕を引き寄せるとアウルもそれに答え、彼女の唇をむさぼった。 互いに舌をもてあそび、吸いあう音が暗闇の中で響く。 アウルは唇を離すと赤く染まった頬に口付け、首筋から鎖骨にかけて唇を落としていった。 ステラを自分のモノだと言わんばかりにそのあとに紅い華を散らして。 愛おしさと独占欲が交じり合った感情。 誰にもやらない、触れさせない。 この甘い声を聞くのは自分だけ。 下肢に手を這わすと愛おしい女の太腿をつたう透明な蜜。 彼女がアウルを迎え入れる準備が十分すぎるほど整っている事を暗に物語っていた。 無意識の行動なのか。 ステラの白い足がアウルに絡みついてアウルの腰に自分のを押し付けた。 アウルはクスリと笑うと。 「ア・・・アウル・・・・?」 おもむろにステラを抱きかかえ、近くのソファーに腰を下ろした。 ステラの驚きの声をあげるのにかまわず、彼女の脚を大きく開かせた。 ステラの薄く色づいた花弁が芯まで露になり、花弁から蜜があふれ出る。 「やぁ・・・・っ、アウ・・・・ルっ」 「すっげーグッショグショ。よく見えんだろ、ステラぁ?」 「あ・・・あ・・・・やめてぇ」 恥ずかしい格好で自分の秘部をさらされたステラが羞恥心に激しく首を振る。 その様子にアウルはますます愉悦に駆られ、次はどうしてやろうかと考えた。 ふと。 休憩所の入り口付近に人の気配を感じ、目を鋭くした。 気配は一人・・・・いや、二人だった。 おそらく自販機の飲み物を買いに来た輩だろう。 邪魔すんなよ、と思ったが次の瞬間どす黒い欲望が彼を支配する。 この船上生活でさぞかし女に植えている奴らに見せてやろうか、と。 いつぞやステラにちょっかいをかけてきた奴らといい。 ステラを好色の目で見るヤツは少なくない。 ステラは自分のモノだと、見せ付けてやろう。 それでもなおステラに手を出すやつは死んだ方がましだと思うほどの目に合わせて地獄に落としてやる。 低く笑った後、アウルは心の中で付け加える。 まぁステラが黙ってやられるタマだと思えないけど・・・・。 さて・・・・。 「ステラぁ」 「あ、アウル・・・・?」 羞恥心のあまり、すみれ色を潤ませるステラに向かってアウルはにやりと笑って見せた。 「観客がいるみたいだぜぇ?」 「え・・・・?」 アウルの言葉の意味が分からず、ステラが目を瞬かせる。 その拍子に瞳から零れ落ちた涙を舐めとりながらアウルはあごで入り口付近を指し示した。 「誰かいる」 「え・・・や、やぁ・・・・っ」 ようやくアウルが言っていた意味が理解できたにステラはその身を震わせ、彼の腕の中から抜け出そうと身をよじったが、アウルは彼女をがっちりと固定させたままびくりともしない。懇願の目で見上げてもアウルはただ笑うだけだった。 「見せつけてやろうぜ?なぁ?」 「で、でも・・・・あ・・・・っ」 返事をするより早く、アウルに熱い舌で耳を舐めあげられ、ステラは背中を走るぞくぞくとした感覚に声を上げた。 観客に見せ付けるようにアウルのしなやかな指が開かれた花弁をさらに押し広げると紅く色づいたそこは生き物のようにアウルの指にまとわりつこうとひくつく。 「あ・・・・ん」 「欲しい・・・・?」 与えらている快楽とアウルの甘いささやきにステラの頭がぼうっとなる。 自分たちが見世物になるのは嫌だった。 でも身体の中は沸騰するほど熱くて。 このまま満たされなかったら気が狂いそうだった。 「・・・・・ぅ・・・・ん」 恥ずかしさに頬を染めながら小さく頷くステラにアウルは満足げに笑うと頬に軽く口付け、そり立った自分を花弁にあてがった。ステラは期待と不安、羞恥心の入り混じった表情で自分の中にアウルが飲み込まれてゆくのを見守る。 自分の中のが押し広げられ、浸入してくる溶けそうになるくらいの熱に次第に他の事はどうでもよくなっていた。 アウルの存在を感じていたい。ただ、それだけ。 「ん・・・・きつ・・・・」 いつものながらステラの締め付けのきつさにアウルは眉間を深くした。 四方八方から暖かいものが絡みつき、締め付けてくる。 その心地よさにしばし酔いしれていたが、まだ消えない二つの気配にアウルのサディスティックな感覚が呼び覚まされる。 んじゃぁ、一つ見せてあげましょうか? 「あ・・・・っひゃぁあああああん・・・・・っ!!」 下から大きく突き上げられた感覚にステラの嬌声が上がる。 結合部のねちゃついた音と共に、周囲にステラの愛液が飛び散る。 子宮の奥まで打ち付けられるたびに脳髄まで痺れが来る。 中を激しくかき回される甘い痛みにステラはただあえぐしかなかった。 「あっ、あぁああっ、あんっ!!あう・・・くぅ・・・んっ!!、」 「ステラ、見てみろよ。お前のやらしいとこ。こんなふうにっ・・・・しっかりくわえこんでさぁ」 ズンと突き上げられ、二人の汗が宙に飛ぶ。 アウルに無理やりその結合部へと向かされ、ステラが視線を動かすと、自分とアウルの体液が混じりあった結合部が見えた。 紅く色づいた肢体以上にステラの秘部は紅く色づき、大きく動くアウルの男性を逃すまいとくわえ込んでいる。 いやらしい音をあたりに響かせて。 「や・・・・いやぁ・・・・っ!」 「あはははっ、なに恥ずかしがってんだよ・・・あっ」 アウルからの恥ずかしめで身体に力が入ったのか。 さらに強くしめつけてきたステラにアウルは余裕をなくしつつあった。 暖かい柔肉一枚一枚がうごめいてアウルに絡みつく感覚に頭の中の火花が散る。 自分がさきに到達するかもしれないという危機感を覚えたアウルは周囲から意識を外すと、ステラを追い込む方に専念し始めた。 腰を大きく動かし、ステラを深く突き上げると同時にもっとも感じやすい花芽をつかんで、執拗に転がした。 「だ・・・だめぇーーーーーっ!!あう・・・る。そこ・・・・あっああーーーんっ!!」 泣き声のような声をあげてステラの身体が跳ね上がって痙攣し、透明な愛液が溢れて糸を引き。 生理的な涙と口元から溢れた唾液が頬を伝って落ちる。 そろそろステラの絶頂が近いと感じたアウルはステラの背中に強く口付けて紅いあとを増やすと自分も追い込もうと腰を突き上げるだけではなく、揺らし始めた。 アウルにみっちりと絡みついたステラの濡れそぼった花弁が揺れるたびに刷り上げてくる。 蕩けそうな刺激にアウルの体温も徐々に上がってゆき、腰の奥で生まれた灼熱の溶岩が競りあがってくる。 「すて・・・ら・・・っ」 「あっ・・・・あ・・・あうる・・・・っ。ああっ!!」 ステラが大きく身体を震わせると同時に、アウルの射精を誘うように子宮が収縮し、蠢いた。 アウルも腰を引き、ステラの最奥に自分を打ち付けるとその勢いのまま自分の欲望をステラの中に放った。 どくんどくん。 はげしい脈動と共にアウルの男性は白濁液を吐き出し、ステラの奥に叩きつける。 「はぁ・・・っ、ああああっ!!」 「く・・・・っ」 背中を大きくそらして身体を振るわせて達したステラを後ろからきつく抱きしめ、アウルも達する。 ステラは荒く息を吐きながらうっとりと目をつぶり、自分に染み込んでゆくアウルの熱を感じ取っていた。 そして。 息が整い、顔をあげると先ほどまであった二つの気配はいつのまにか無くなっていた。途中からステラとの行為に夢中になっていたからいついなくなったのかは分からない。 でもそれはもはやどうでもいい事だった。 潤んだ瞳で見上げるステラに口付けるとアウルは腰を引いて彼女から自分を引き抜いた。 「あ・・・・・」 ずるりという感覚と共に引き抜かれたアウル自身は二人の体液とアウルの欲望で濡れて光っていて、ステラは自分から引き抜かれるそれルをどこか寂しげに見ていた。 「どうしたんだよ」 「ん・・・・。ただ・・・・さびし・・・いだけ」 ステラの言葉にアウルは目をしばたたかせた。 言われて見れば。 アウルがステラから自分を抜くとき、決まって寂しげな、名残惜しそうな顔をした。それは情欲のそれではなく、本当に寂しそうな表情。 「何が寂しいんだよ、馬鹿」 アウルはそうつぶやくとステラを抱き寄せ、彼女の華奢な身体に腕を回すと、彼女の顔が寂しげなものから安堵したものへと変わっていった。 「・・・うふふ」 「なんだよ」 「嬉しいの。アウルはいつも・・・・この後、ぎゅっとしてくれる」 「・・・・そうだっけ」 身体を離してステラを見つめると彼女は嬉しそうにうなずいた。 「アウルが・・・・ステラの中から、離れるとき。寂しくて心がね・・・・きゅっ、となるの」 そういってステラは自分の胸を両手でおさえ、またアウルへと視線を戻して続ける。 「でもアウルが、そのあと、いつもぎゅう、としてくれるから・・・・寂しく無くなるの」 「そっか」 「うん」 ニコニコと笑顔を見せるステラにアウルはバツが悪くなって天井を仰ぎ、わしゃわしゃと頭をかいた。 子供のように純粋で無邪気なステラ。 自分がさっき何されたか分かってるのだろうか。 多分忘れたのだろうとアウルは思った。 ステラはそうなのだ、いつも。 こんなステラを前にすると自分が犯罪者になったような気さえしてくる。 一つため息をつくとステラを見やり、アウルは少し照れながら彼女へと腕を広げた。 「ぎゅっ、する?」 「うんっ!!」 満面の笑みで自分にしがみついてくるステラをアウルは大切に包み込むと彼女の髪に唇を寄せた。 「シャワー浴びて寝よっか」 「うん。アウル、ステラと寝る?ステラ、アウルと寝る?」 「あ〜〜?」 腕の中から顔を出して見上げてくるステラにアウルは顔をしかめた。 彼女はアウルが自分の部屋で寝るか。 それとも彼女がアウルの部屋で寝るのか聞いてきているのだ。 「一人で寝ろよ」 「じゃあ、ステラ、アウルと寝る」 「おい」 彼がステラと寝るか。ステラがアウルのところで寝るか。 離すまいとしがみついた手は彼がどちらかにうんと言うまでは絶対に離そうとしないだろう。 とりあえずアウルの部屋はパスだった。 うるさい兄貴分がいるからだ。 ステラを部屋に連れて行ったらきっと。 『アウル〜〜〜〜〜!!てめぇこんな時間までステラを夜更かしさせたのか!!夜更かしはなっ美容の敵なんだぞ!!分かってんのかっ!!特に美容に大事なコラーゲンというのはな、夜寝ている間に作られるものなんだよっ!!いいか、コラーゲンというのはな・・・・』 とまあこんなふうに延々と(下手したら朝まで)説教されるのが目に見えている。アウルはまたため息をつくと、腕の中のステラとこつんとおでこをあわせた。 「お前んとこでいいか?」 「うんっ!ステラの部屋、いこ?」 「はいはい。お前、服忘れるなよ」 「あ」 「ったく」 自分も服を身に着けながらステラが着るのを手伝ってやると、アウルはステラの手をとって先を歩き出した。 ステラが嬉しそうにつないだ手を大きく振っている。 そんな彼女を見ていると、退屈しのぎに彼女を弄ぼうとした自分がなんとも馬鹿に思えてくる。そしてステラはそんな自分を少しも責めようともしない。 「お前といると調子狂うな」 「え?なあに」 小首を傾げるステラになんでもないとアウルは告げると、 腕を引き寄せてステラはきつくきつく抱きしめた。 お前といると。 お前がいてくれると。 罪で真っ黒な僕が少しだけ変われるような気がする。 白くはなれないけれど、少しだけ漆黒から一歩踏み出せる。 そう。 さしずめ『灰色』ってところかな。 ステラ、愛しているよ。 この気持ちもいずれ消されてしまうだろうから・・・・口には出せないけど。 でもいつか。 もし戦うこと以外でも存在が許される日が来たならば。 そのときはきっと。 あとがき アウルが黒いというより変態じみていてすいません(土下座) でもなんか甘くなったような気が。私が書くアウステって最近甘くなりがちです。 甘いのがなかなか書けない私としては、甘々かけたときはちょっと幸せなのでいい傾向かv |