パラレル小説

幼稚園児カヲル君









第3新東京市にあるネルフ幼稚園。

保母のレイ先生をいつも熱心見ているちびカヲル君。
大好きなレイの気をどうやって引こうかとあれこれ毎日思案中。

今はみんな仲良く外でのレクリエーションタイム。
幼なじみのちびアスカと駆け回っていたちびシンジが転んでぴーぴー泣き出した。

「うるしゃい、このよわむし」

アスカはそんなシンジが気にくわないとぽかぽか殴った。
もちろんシンジは泣きやむどころか声はますます大きくなるばかり。
困り果てたアスカも泣きべそをかき始めたとき。

レイ先生が歩み寄ってきてシンジ 血のにじんだだひざの手当てをしながら優しく微笑んだ。

「泣いてはだめよ。男の子でしょう?」
゙「ぐすっ。うん・・」
「いい子ね」

そういってレイ先生はちびシンジの涙と鼻水をふいて、頭をなでた。そしてアスカをやんわり諭すことを忘れない。

「アスカちゃんもシンジ君に強くなって欲しいのは分かるわ。でもちょっとやりぎよ?」
「むぅ〜、わかったわよ」
「良い子ね」


そんなやり取りを見てカヲル君はその手を使うことを思い付いた。

「僕もやろう」


きょろきょろとレイが気づきやすい位置を探して カヲルはおもむろに転んで見せた。だがきづいたのは 肝心のレイではなく、カヲルをことのほかお気に入りのマヤ先生。いそいそと近づき、彼を助け起こして膝を撫でてくれた。

「まあ、カヲル君も怪我?だいじょうぶ?」
「ちがうよ。僕、レイ先生がいいんだ」

優しくされても狙った相手が来なくて大いに不機嫌なちびカヲル。

「レイせんせーい、僕もー」

なんとか気づいてもらいたく一生懸命レイにアピールをしようとした。

「ほう。元気がいいな」
「(うげっ、ひげ面園長) 」

そこへ天敵ゲンドウ園長が立ちはだかった。髭に覆われた顔にサングラスが不気味に輝いている。何かとレイにべったりなカヲルを目障りに思っているらしく、日々カヲルの邪魔をしてばかりいる大人げない男(48)である。ゲンドウ園長は顔を引きつらせたカヲルをおむむろに を抱き上げると 嫌がらせと言わんばかりにカヲルに頬ずりをした。

「元気がいいやつにはそーれそれ」
「嫌だー!!」


じょりじょりと固い髭が柔らかな頬に当たる。
嫌悪感と恐怖で本気で泣きそうになるちびカヲル。



ごいん。



「ぐはっ!!」

ふいに後頭部に重い一撃を受け、昏倒するゲンドウ園長。
殴ったのは青白い怒りの炎をまとったレイ先生だった。

「・・いい加減にして。この変態」
「あ・・・」

レイにしっかりと抱きとめられたちびカヲルは自分と同じ紅い目間近にして紅くなった。

「だいじょうぶ?」
「うん・・」

優しい石けんの香り。
柔らかい腕と胸。
お目当てのレイ先生にしっかりと抱っこされ カヲルは少しだけゲンドウに感謝した。

その日はレイ先生から 離れようとしなかったそうな。



「こ、このマセガキ〜!!レイから離れろ〜」
「ふん」












あとがき

幼稚園パラレルでしたv
次回は逆のを書いてみようと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございました。