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After the War


ステラ&息子編




「あうる・・・」

「?おとーさんがどうかしたの?」

父親の名を呼んで自分の頭を撫でる母ステラを 母譲りの桜色の瞳で見返すアウステさんちの息子君。 頭上に大きな疑問符が浮かんでいます。ステラはそんな仕草さえ可愛くて仕方ないというように彼を抱きしめて頬ずりします。

「ステラって・・・呼んでみて?」
「・・?う、うん。えっと・・・・ステラ」

とまどいながらも言われたとおりにする我が子を 愛しいと再び抱きしめます。 その力には容赦がありません。 力一杯抱きしめられる長男坊はたまった物ではなく、目を白黒させます。

「可愛い。ちっちゃなアウル」
「お、おかーさん、苦しいよう」


そして離すとステラは再び同じ事を言います。

「ステラって呼んで?」

またぎゅうと力一杯やられると分かっている長男坊ですが、大好きなステラママが期待で大きな瞳をキラキラさせて言うものだからとても断れません。半ば諦め気味に言われたとおりにします。

「・・ステラ」
「ちっちゃなアウル。可愛い、可愛い」

僕、お父さんじゃないんだけどなぁ・・。
ちょっとアウルパパが恨めしい長男君でした。



「生まれたばかりの頃は瞳が蒼じゃないって騒いでいたけれど 、すっごい可愛がりよう。 確かにデータで見たチビアウルにそっくりだけれど。 確かに可愛いとは思うけど」

「ステラ」
「可愛い」

視界の隅で延々とくり返されるその光景にルナマリアが溜め息をつきました。 その顔に呆れの色が浮かんでいます。

「・・・ずーとあんな調子とはね」
「一緒に暮らしてると似てくるんモンかな・・」

誰となくそうつぶやいたスティングの顔にちょっとした疲労感が見え隠れしてます。そんなスティングにルナマリアが疑問を投げかけました。

「なんのこと?」
「アウルのヤツも娘の方と同じ事やってたんだ・・・」

「うわー」

二人して同じ事をやってるとは。
その光景を想像してルナマリアは絶句。
いつもそんなアウステの側にいるスティングを気の毒に思ったルナマリアなのでした。









ステラ&娘編





「お買い得のチラシに載っていたお買い物。出発しんこー」

兄とアウルパパ、そしてスティングを留守番に アウステさんちの長女は今日はステラママとスーパーへお買い物。

週一のお買い得デー。
大きな蒼い瞳を輝かせ、 お気に入りの帽子をかぶってアウステさんちの娘さんは大張り切りです。 ついでにお菓子も買ってもらおうと目論んでるようです。

「お菓子は一人一個ずつよ?」

そう言うステラママは流石主婦(まだ未婚ですが)。 ちゃんと釘を刺すことを忘れていません。 ちなみに一人ずつというのはお留守番のお兄ちゃんの分です。


さあ、やって参りました。



行きつけのスーパーです。
まずはスーパーのお肉売り場。
当然のごとく、鬼の形相をした主婦さん達が群がってます。

「とっかんしまーす」

ですがそんなのなんのその。
怖い物知らずのアウステさんちの長女は 跳び箱の要領でそんな波を身軽に飛び越えます。
そして見事にゲット。
その間にステラママも負けていません。
接近戦に長けた素早い身のこなしで 荒波をくぐり抜け、数量限定の食品を次々と籠へ。
この見事なコンビネーションの前では流石の主婦達も形無しです。
そしてアウステさんちの母娘は 今日も数々の戦利品を手に家路へと向かいます。









アウステ&双子編




今日は4人でお出かけです。
おきまりのコースの水族館。

アウステさんちの双子は色違いのおそろいを着て、おそろいの帽子をかぶってます。
長男は蒼い線の入った真っ白い水兵服。
その双子の片割れはピンクの線が入ったセーラー服。
どちらもスティングのお手製です。
彼らのお洋服はほとんど色違いのおそろい。

いつでも何処でも一緒です。

アウステさんちの娘さんはアウルパパに肩車をされてご満悦。
アウステさんちの息子さんはちょっとうらやましげにそれを見上げてます。それをちゃんと見ていたアウルパパがあとでやってくれると言ってくれたので 、嬉しそうに満面の笑みを浮かべました。
それまではステラママと手を繋いで迷子にならないようにします。
水族館は何度も行っているとはいえ、とても広いからです。

パステルカラーのこの家族はとても目立ちます。
何度も来るのでもはや水族館の名物にもなってました。
切符売り場のおじさんやお姉さん達が双子達の姿を見ると、ニコニコと笑ってとっておきのお菓子を双子にくれます。 双子達はそれをとっても楽しみにしてます。
そして入場すると二人は真っ先に お友達のイルカさんやアザラシさん達に挨拶をしに行くのです。 ちょこちょこ走り回る双子達から目を離すまいとアウステは大変です。この双子の親となってから 少しだけスティングの気持ちが分かるようになったアウステでした。