拍手ログ

その3









日常の一コマその1

After the War〜アウステベビー〜
双子(幼稚園)編




娘『ふんっ!!』

いじめっ子『うわーん!!』


近所の砂場で複数の男の子達が大きなたんこぶを作って泣きわめいている。

その子達の前でふんぞり返っているアウステさんちの娘。

泣かされている子達のタンコブを横目で見ながら彼女の兄は困ったように眉尻を下げた。


息子『・・やりすぎだよ・・。こんなに大きなタンコブ・・』

娘『こいつら、女の子いじめてたんだよ。だから倍にして返してあげたの』

息子『でも・・やりすぎだよ・・・』

中学生『おいっ、よくも弟をいじめてくれたなっ!!』

娘『いたっ!!』


弟の鳴き声を聞いて駆けつけてきた中学生に後ろからの不意打ちを食らい、

アウステさんちの娘さんが転んでしまった。

膝をすりむき、血が出ている。


息子『・・・!』


娘『お兄ちゃん、やめなよっ!!そいつ死んじゃうよ!?』


数分後。


手にした枝が折れてもなおその中学生に攻撃を続ける兄を

今度は妹が必死に止めようとしていた。


ステラ『中学生の方は打ち身・スリ傷で全治一週間だそうよ・・・』

スティング『なんかよ・・普段大人しいクセしてアイツが一番やべぇんじゃねぇか・・』

アウル『スイッチさえ入んなきゃ問題ねぇよ』

スティング『そういうもんかよ・・』







日常の一コマその2


ファンタムペインの日常編




アウル『はらへったーはらへったー』

スティング『・・さっき食ったばっかじゃあねーか』

アウル『そんなのとっくに消化したよ!!』

ステラ『おかずもデザートも4人前は食べていたのに』

アウル『うっせーな。くれたんだからいーじゃねーか』

スティング『お前さ、食堂の奴らになんて言われているか知っているか?』

アウル『あ?』

ステラ『底なしの胃袋。歩く残飯処理機』

アウル『んなこと言うのはこの口かっ!?ああっ!?』

ステラ『すへらじゃらいのんひ(ステラじゃないのに)・・』

スティング『やめんかっ!』









日常の一コマその3

学園編




とある日の休日。

ステラはスティングの指導の元、ネオのために朝食のオムレツを焼いていた。

じゅうじゅうと音を立てているフライパンの前に真剣な表情でフライ返しを握っている。


スティング『そこでフライパンを揺らしながらたまごをひっくり返すと綺麗なオムレツになるぞ。
がんばれ』

ステラ『うんっ!!がんばってネオに食べてもらう。せーの・・!』


彼女のかけ声と共にオムレツが綺麗にひっくり返る。

色といい、焼け具合といい、その文句なしの出来にステラの顔が輝いた。


『・・・やった・・・やったよ、スティング!!』

『良くできたな、ステラ』


スティングはそんなステラが可愛くて仕方ないと言わんばかりに

彼女の頭を撫でた。

早速、と皿を出していそいそとオムレツを盛りつけるステラ。
・・・がテーブルに行き着く前にシンが食堂に飛び込んできた。

何事かとステラが立ち止まると、シンが不意にしゃがみ込んだ。

その瞬間、シンの頭上を飛び越えた枕がステラの手元に直撃。

がらんと音を立てて食器が落ち、その上に持ってあったオムレツも当然おちた。

・・・原形もとどめず無惨につぶれたオムレツの前にステラは固まる。

同時にひどい寝癖のままのアウルが鼻息を荒げに食堂に飛び込んで来た。

そしてシンの姿を見つけると怒りを露わに怒鳴り散らした。


『てめ、またケリやがったなっ!!』


『いつまでも寝ている方が悪いンだよ、この馬鹿っ!!

飯食いそびれて困るのはそっちだろ?

感謝されるのはともかく、怒鳴られるいわれはないね』


そう言ってアウルを見下すように鼻を鳴らすシンにアウルはぶち切れた。


『こ・の・や・ろ・う・!!

ぶっ殺す!!』

『やるか!?』


『お前ら〜〜〜〜〜っ!!』


『『へ?』』


地の底から聞こえてくるような声にアウルとシンは固まった。

視線をずらすと、ダークなオーラをしょったステラが

フライパンを手に仁王立ちになっている。

そしてそんな彼女の後ろでスティングがこそこそと部屋から逃げ出しているのが見えた。

その様子にアウルとシンは己の状況を瞬時に理解できた。


・・やば・・・スイッチが入ったってヤツ・・・?

に、にげなきゃ・・。

・・・さ、さんせー。


だがこそこそと逃げ出そうとする二人の道を

ステラはいち早く遮ると、いつもの声とは似てもにつかない

ドスの効いた声で死刑宣告をした。


『覚悟はいい・・?』

『『ひ・・・』』




次の瞬間金物が鳴り響く音と二人分の悲鳴という

耳障りの音がロアノーク家でこだましたという。








日常の一コマその4

After the War編




ルナ『シンに美味しいものを食べてもらうため、ルナマリア・ホーク!!行くわよっ!!』

スティング『それは片栗粉。小麦粉はこれだ』

ルナ『別にどっちだって良いわよ。どっちも似たようなモンじゃない』

アウル『それは塩。砂糖はこっち』

ルナ『見た目おんなじじゃない。わかんないわよ、そんなこと』

ステラ『・・・ルナ。お米は洗剤で洗わないの・・・』

ルナ『え〜、どうして?汚いじゃない』




アウル『・・あのさ。言いたかぁないけどよ』

シン『・・・なんだよ』

アウル『ルナよりお前が料理やった方がよくね?いつか死ぬぜ』

シン『・・・いつか!いつかきっとまともになってくれるって信じてるんだ、俺はっ!!』

アウル『ルナがまともなモン作れるようになるのと、お前がくたばるのとどっちが先だろうな』



あとがき

各ジャンルの日常を書いてみました。
シンルナ編に関してはAfter the War でこれからもちょくちょく出てくるだろと
思われるネタです(笑)
アウステベビーは双子が本決まりです。
女の子は外見ステラ、中身アウル寄り。
男の子は外見アウル、中身ステラ寄り。
この子達の性格はアウステだけではなく、周囲の影響も受けてます。
若すぎる両親の間に生まれ、周囲から変わりばんこに
面倒を見てもらっていたという設定。
学園編はステラ豹変の巻。
ファンタムペイン編は日常SSのSupper Timeから出ています。

拍手だったんですが、弱冠加筆してます。
これも書いてて楽しかったです。
ここまで読んでくださり、有り難うございました。