拍手ログその10








戦中パラレル






シン×ステラ





携帯の中で微笑むは栗毛に紫の瞳の少女。

何事にも替えがたい存在だった、妹。


シン「・・・・マユ」


シンが薄暗い部屋の中でピンクの携帯を見やっていると、

ふいに部屋に光が灯った。

まぶしげに紅い目をぱちぱちさせ、顔を上げると入り口でステラが立っていた。

部屋の灯りは彼女が付けたらしい。

ステラは彼の方に歩み寄ると携帯をのぞき込むと

シンと似た面影のある、紫の瞳の少女にステラは紅い目を細めた。


ステラ「・・・・可愛い。この子、だれ?」

シン「俺の妹。前の戦争で戦闘に巻き込まれて・・・・」


昔の事を思い出し、声を詰まらせるシンをステラは抱きしめ、

優しく頭を撫でた。

優しいステラ。

亡くした妹と面影が重なる彼女。

今度こそ護ろう。

絶対に護らないと。

そうでないと俺の力は何のためにある?


ステラ「・・・元気、だして・・・?」

シン「・・・・ん。ありがとう」


護るべき君に救われたのは俺の方。

君をそして仲間を護り切れたら

俺はこの呪縛から解き放たれるのだろうか。






















戦中パラレル





アウル×カガリ





星を見渡せる甲板の上で星を見ていたカガリが

手すりに寄りかかって同じように星を見ていたアウルの方を見て問うた。


カガリ「お前の記憶の母さんはどういう人だったんだ?」


星空に目を向けたままアウルはぽつりと答えた。


アウル「良く覚えてない。金の髪で優しかった事ぐらいしか」


脳裏によみがえるのは金の髪。

優しい声。

否。

どんな声だったのかも今では思い出せない。


カガリ「そうか。私が物心付く頃から母はいなかったからな。

どういうもんかは知らんが」


アウル「モノじゃないよ」


そんなあなたは誰よりも母親らしいと思うのは僕だけだろうか?

アウルはそれを言葉にする事が気恥ずかしくてどうでもいい事を口にする。

目は星空を捉えたまま。

けれど全神経はカガリの言葉に向けられている。


カガリ「ちゃかすな。良いか?

過去の思い出を大事にする事も良い。けどな。

今を大切にする事はもっと大事だぞ?」


アウル「・・・・・」


今。

大事なモノ。

年の違わない母。

新しい仲間。

スティング。

・・・・ステラ。

大事な、ステラ。


カガリ「大事な仲間がいるんだろう?過去にとらわれてばかりいては守る物も守れんぞ」



護るとか思いながらも

失う事ばかり恐れて。

失う痛みを恐れて。

結局は逃げていた自分。

そしてそれを悔いている今の自分。


アウル「分かってる・・・」


カガリ「私も人の事は言えんが、な。だから、さ」


照れくさいのかカガリはごほんと咳払いを一つして

一言続ける。


「一緒に前へ進もうな」


その言葉が嬉しくて、アウルはようやく空から目をはなして笑った。

沢山の有り難うをこめて満面の笑みを浮かべてみせた。


アウル「・・・・うん。分かったよ、母さん」

カガリ「一つしか変わらなんだろーが。いい加減それはやめないか?」


そんなアウルにカガリは嬉しそうな、

それでいて照れくさそうに頭を掻いた。

その仕草はもう一人の母と言えるべき少年の姿と重なる。

アウルは軽く舌を出してそっぽを向いた。


アウル「ヤダ」


カガリ「やれやれ」



ありがとう『母さん』

さようなら『母さん』

沢山の回り道をして。

沢山の血と涙を流して。

やっと。

やっと、大事なモノを護りたいという気持にたどり着けた。























戦中パラレル





アウル×ステラ





「一回しか言わないから、良く聞けよ」

「うん」

「ホントに一回だけだからな!」

「分かった」

「ほんっとうに一回こっきり。

二度と言わないし、言いたくない。

分かってる?」

「うん、うん」


しつこいくらい念を押すアウルに

ステラはキラキラとした期待の眼差しを向ける。

その眼差しにやや気圧されたアウルは思ったように言葉を発する事が出来ない。

何度も何度もリハーサルをしてきたこの場面。

何度も何度も頭の中で反芻させてきた数々のセリフ。

シンやスティングに負けないくらい優しい言葉を掛けてやろう。

ネオに負けないくらい甘い言葉を吐いてやろう。

そう思っていたのに。


「お前みたいな馬鹿は僕が必ず護ってやるからありがたく思え」


・・・おい、とアウルは自分自身を思いっきりけっ飛ばしてやりたくなった。


出てきた言葉は優しくもない、甘くもない。

ガキっぽい、言葉。

けれどステラは頬を上気させて嬉しそうにうんと頷いた。



素直でない。

優しくも甘くない。

こんな僕でも許してくれる?



そう言ってもなお嬉しそうに頷くステラをアウルは思いっきり抱きしめた。

















シン×ルナマリア





ブリッジにルナマリアを呼び出したシンは

先ほどまでのリハーサルなどが頭からすっぽり抜けてでしまっており、まっさらの状態だった。

どうしようとは思ったが、ええい、ままよと単刀直入。


「お、俺とつきあってください・・・!!」

「ん〜?なんか聞こえたような気がしたけど、耳の調子が悪いのかしら」


ルナマリアは耳をとんとんと叩きながら小首をかしげた。

一世一代の告白をむげにそう返され、シンは一瞬どん底に突き落とされた。

だがここでへこたれない所は流石エースパイロット。

すかさず次の攻撃に映る。


「あのさ、色々と感謝してる。

壊れた俺のことを看てくれた事も。

一緒にいてくれた事も。

そんなお前が好きだ!!

愛してる!!

ルナ、君は俺が護るから!」

「ストーップ!こんなところでそんなに連呼しないでよ!」


どんどんヒートアップしてゆくシンに流石のルナマリアも顔を赤らめて

彼を押しとどめようとするが彼は止まらない。


「なんだよ、別に良いじゃん。何、もしかしてアスラン?

MS戦闘ではそうひけはとんないよ!いつかはあの人を超えてみせる!」

「あんたのすぐヒートアップする所直したら考えたげる」

「え〜っ」


シンの最初のアタック、撃沈。

だが彼はめげずにそれから幾度無く彼女に挑む事になる。






御訪問有り難うございました。
何か一言でも頂けたら感・激!します。
返事は拍手返事でいたしますのでv















戦中パラレル




アスラン×キラ






アスラン「キラ〜〜〜〜っ」

キラ「やあ、アスラン」


キラの姿に安堵したアスランが彼に飛びつこうとすると、

キラの笑顔のカウンターパンチを食らい、アスランはきりきり舞をして床に突っ込んだ。

すかさず、キラが彼の襟首を掴み、にっこりと笑った。


キラ「いやあ、カガリの心配よか僕の心配かぁ。嬉しいなぁ。親友想いだよね。そう思わない、ラクス?」

ラクス「ええ、色々と聞き及んでおりますわ。

任務を放り出してはキラと名前を連呼した事とか、部下を虐待しこととか。

当に隊長の鏡ですわねぇ」

キラ「本当にね。僕まで仲間だと思われたくないからベタベタしないでね。この次は迷いなく撃つからね」

ラクス「背後のエターナルにもご注意あそばせ」

アスラン「キ、キラ〜ぁ」


床にへばりついたままのアスランを仲良く腕を組んで置き去りにするキラとラクス。

その影でアウルとシンが呆れたようにその光景を見ていた。


シン「俺はあんなのを尊敬していたのか・・・。

戦闘にはいるとまともなのに。・・・最近は。

キラという人が出てくると途端に壊れるんだよな、あの人」

アウル「あんなのとくっつくだなんてぜったい認めねぇ」

シン「カガリの事?」

アウル「今から殺っておこうかな」























あとがき


本編離れがひどくなった結果生まれたのがこの拍手。
いずれ戦中パラレル、やりたいです。