■年末突発SP
今日は大晦日。
いつもと同じように静かに迎えるはずだった日。
ところが。
「ぎゃはははははっ!!飲め!飲め!!」
「ちょっとミサト!!あたしたちは未成年・・・・」
「ヒック。アスカそんな事言って飲めないんでしょ。僕に子供なんていえないよねぇ〜〜〜」
「ぎゃぁ〜〜〜〜!!シンジ、あんた酒臭い!!近寄るな〜〜〜〜〜っ!!」
「鈴原トウジ!!ハラ踊りやりまぁ〜〜〜〜っす!」
「フフフフ。俺はカメラ小僧じゃない。変態じゃない。
カメラを持つフツーの中学生なんだ。へへへへへへへ」
「ちょっと!!みんな中学生でしょ!!」
「すーすー」
・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・。
ここはどこ?
なぜ私はここにいるのかしら?
本来ならいつものように床について。
穏やかな新年を迎えるはずだったのに。
「細かいことは気にしてはいけないよ」
コップを渡され、なみなみと注がれるは透明な液体。
お酒のにおいがするわ。
「私、未成年よ」
「年末年始くらいは法律も目をつぶってくれるさ」
銀髪男は悪びれた様子もなく済ましてそういう。
今日、といわずに年末年始というところが抜け目無いのね。
「チャンスは、逃さないってね」
「・・・・・それは関係ない気がするわ」
手厳しいね、と笑うカヲル。
いつもその笑顔にごまかされている私。
ごまかされてあげている私。
近いけれど近すぎない距離に私と彼がいて。
あぶなかっしい均衡を保っている。
今の均衡が崩れたら私たちはどうなるのかしら。
そろそろ今の状態が物足りなくなってきているのに
今の空気が心地よすぎてあとの一歩を踏み出せずにいる私。
彼は一人だったはずの世界に入り込んできた一筋の光。
それは照らすものだけではなく、天照の岩屋から私を引っ張り出してきてくれた。
彼を失うのが怖い。
でもあともう一歩がほしいの。
自分勝手な考えだと思っているけれどそう願わずにはいられない。
ねぇ、いつか私が一歩を踏み出す勇気を得られたら少し素直になれるかもしれない。
それまで待っていてくれる、カヲル?
いつもありがとう。
そして、来年も・・・・・。
よろしく。
年末年始に訪れてくださってありがとうございます。
レイ視点。来年こそ新しい一歩があるかも・・・・。来年もエヴァの面々もをよろしくお願いします。ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。